2017.8.26 朝日新聞 朝刊を読んで

 

 厚生省は退職後の中高年が介護現場にいりやすくするために、未経験者を対象にした新たな研修制度を創設する。2018年度の導入をめざすと記載されてあった。久々に、介護関連でうれしいニュースを目にしたので、つぶやきを投稿したくなった。

 

 私は、団塊世代の介護は老々介護にならざるをえないと思っている。団塊世代及び団塊世代の介護を担ってくれる世代に、介護についての初期的な研修制度を設けてくれることは非常に心強いことである。

 

 ここで一言、現在も介護職員初任者研修制度がある。130時間の研修(内容は基礎知識、実技演習、現場研修等)を受けると訪問介護ができる。これは通称、ホームヘルパー育成コースと呼ばれているものである。     本育成コースは、各種の企業や団体が10万円程度で実施している。受講者のために本コースの授業料には、種々の公的な助成金がつけられている。その助成金は一部、全額免除等さまざまである。2018年に導入計画の新制度は、130時間の半分で終了できるようにするらしい。現状10万円でホームへルパー育成コースを実施している会社は、5万円程度のコースを開発しなければならない。要するに、授業料の値下げである。コース運営の会社は死活問題である。 

 介護保険の事業主(国及び市町村自治体)は、介護研修に関連した各種助成金をなくして、受講者に全額の5万円を負担させるつもりと推測する。介護費用の発生を少なくして、介護予算を削減したいのであろう。

 

 来年度は介護保険制度の見直しに当たる。介護保険制度のために消費税を上げるはずだが、その税金だけでは十分に介護サービスを拡充できない。それで、介護に関連する助成金のカット及び、要介護度の低い人は、サービスメニューを全額有償化する等の方策を打ち出すのであろう。ここ1年、介護保険に関して国の見直し内容は、注視しなければならない。 

 

 私としては、健常な高齢者が新研修制度を利用して、介護の知識を持ち、介護サービスの一端にでも、携わってもらえたら、団塊世代の介護対策として、一歩前進だと思っている。

                                     2017.8.26  掲載

 

 追記事項

 新研修制度のカリキュラム作成に関して考慮してもらいたい事項がある。それは身体介助について新たに、老人が老人を介助するテクニックを追加してほしいのである。現状の身体介助のテクニックは、若者が老人を介助する技法である。若い先生が若い生徒へテクニックを教示するのはそれでよい。介護者が若者と中高年では、体力的な面で大きな差がある。要介護者の力や動きを利用することは、その通りである。しかし、移乗や移動の際に掛け声をかけるが、これは私の経験上、違いがある。

 若い介護者は、1、2の3である。私の場合は、イ-チ、ニーーのサンである。すなわち、動きが鈍いのである。老人は体を動きだすのに時間がかかる。このことを認識したテクニックをくわえてほしいのである。

 ドッコイショ・ドッコイショと発声しなければ、体を動かせないのが老人であろう。

                                              2017.8.30  起稿