朝日新聞 2020.02.17朝刊 社会24面を読んで

見出し:介護実習生の監理費 経営圧迫 生活面フォロー 1人月5萬円

 中見出し:滋賀県 監理団体設立に助成

 

記事概要

 介護施設で働く外国人技能実習生の人件費が、施設の経営を圧迫している。受け入れを調整する監理団体に払う費用の負担が重いためだ。一部の県では、独自に監理団体を設立する動きも出てきた。滋賀県は新年度に向け、支援のための助成金を予算に盛り込んだ。「監理団体とは企業や施設の技能実習生の受け入れを支援し実習先での就労状況を定期的に確認指導する。送り出し機関と契約し、研修生の採用面接や日本語講習を担う。非営利団体に限る。国内に約2800団体ある。」

 

記事内容

 事例として彦根市の特別養護老人ホームO園の現状を記載している。施設はまだ120人分の受入余裕を持つ。介護職員が不足のため、要介護者を受け入れることができない。介護人材不足を補うため中国の技能実習生を1昨年は10人、昨年は12人を採用した。貴重な労働力になっている。ところがO園は、技能実習生の監理費が高すぎる。このままでは技能実習生を増やせないと訴える。そこで事業者らが集まって監理団体を発足させる。滋賀県は支援のため、新年度予算に約3000萬円を計上した。ところが一部の監理団体から、行政が特定の監理団体を支援するのはおかしいとクレームがついたのである。事業者の中には日本人を雇用するよりコストがかかるとの考えもある。

 

私見(つぶやき)

 監理団体が介護実習生の人権をまもるため、就労状況を監視することは必要であろう。当該監理団体が中央行政(厚生労働省)の支援下あることは想定できる。一方の行政、すなわち地方自治体(滋賀県)の支援下にある監理団体をおかしいとするのは筋違いではないだろうか? いずれにしても行政同士の内輪もめと思う。ところで技能実習生を受け入れると、監理団体に管理費を支払わなければならないことを私は知らなかった。

 

 私の働く特別養護老人ホームでも中国から複数人の技能実習生を受け入れを検討している。受け入れ後に、監理団体がどのようなフォロー作業をするのか、後学のために知っておきたい。

 

 現状は近頃流行の新型肺炎(コロナウィルス)のために、中国から技能実習生が来日できるのであろうか?来日するだろうか? もし来日したとして、施設内で介護技術の研修を受けた後、濃厚接触が多い介護サービスを、高齢な要介護者へ対応させて良いだろうか?心配や不安が先立つ状況である。早く新型肺炎がおさまることを願うばかりである。

 昨年の今頃は、老人ホームでのインフルエンザ蔓延をぼやいていたが、今年は新型肺炎をぼやくことになるとは、想定もしていなかった。                 起稿   2020.02.17