2020.06.03 朝日新聞 朝刊 19面(生活)を読んで。

 

 見出し:特養でクラスター 綱渡りの介護

序 文:新型コロナウィルスの集団感染が起きた、東京都江東区の特別養護老人ホーム(特養)K施設では、6月1日までに、入居者・ショートステイ利用者44人、職員7人の計51人が感染し、入居者5人が亡くなった。最初の感染者が判明した4月22日以降、K施設では感染防止策を取りながら、ぎりぎりの人手で入居者の介護を続けてきたという。

 

 中見出し1:職員31人、自宅待機。 応援得て、防護服で

記事概要:K施設は社会福祉法人A会が運営する特養である。6月1時点のK施設は、5人が施設内で療養、8人が別病院に入院。施設内では、感染者のエリアと、未感染者のエリアを分けている。感染者に接する職員は、防護服にフェースシールド、医療用マスクN95をして介助にあたる。防護服などは食事休憩やトイレの都度替える。全入居者の食器と清拭用タオルは、使い捨てとしている。未感染者に対する食事介助でも、職員は防護服を着用している写真を掲載している。

 4月28日夜。感染者が出たことで入居者・全職員がPCR検査を受け、計25人の感染が分かった。感染者、濃厚接触者の職員31人が2週間の自宅待機となる。入居者約80人に対して、勤務できる職員は6人しか残らなかった。このため社福A会の別特養から職員計15名が応援に入った。A会系列の総合病院からは、医師、看護師のサポートを取り付けた。それでも介護にあたる職員は通常の半分程度。24時間以上連続で勤務したりという状況だった。

 

 中見出し2:中傷と励まし。 無症状の人、施設で。 行政の支援を 検査早く。

記事概要:A会理事長K氏の談話である。

 新たに25人の感染者が判明し、報道された4月末頃、「そんなことだから死人が出るんだ」等、中傷や、いたずら電話が鳴りやまなかった。不眠不休で働く現場に自信を持ってもらいたいと、感染時の状況を公表した。K施設は法人内、系列法人の職員の応援や病院のバックアップがあり、何とかやっている。「もし小規模な事業者の施設で集団感染がおこれば、職員は出勤できず、医療的なサポートもなく、介護崩壊になってしまう」のではないかと危惧する。K施設で介護にあたる職員に、1日5千円、洗濯など介護をサポートする職員には3千円、独自の「危険手当」を支給している。感染リスクを負いながら働く職員の処遇を維持するには、事業者の努力だけでなく、国や自治体による支援が必要である。

 

 私見 亡くなられた方のご冥福を祈ります。今も療養中の方の完治を願います。更に、A会の医療関係者、介護職員の尽力に敬意を表します。ぼやくにぼやけない内容です。

 

 中見出し1は、対応経過の概略であります。感染を拡散させないように、収束させるための施策(衛生、対策環境・防具の整備、介助手順の統一等)のこまごまとした行動基準を、掲載してほしいと思いました。行動基準で、良かったこと、悪かったことは、今後、介護業界の参考になると思います。

 

 中見出し2のA会理事長K氏とは、経営トップすなわち社長である。新聞社等のインタビューには、なかなか出られない方々である。内容は、お金や経営の問題・対策・課題などを述べられとおもういきや、介護体制を述べられている。介護体制であれば、K施設の施設長が反省点・再発防止策を延べて終わらせるのである。K氏は介護職員の意識付け(モチベーションアップ)に重点を置いてある。さすが経営トップの内容だ。

 

 私がこの談話内容を掲載したのは、「もし小規模な事業者の施設で集団感染がおこれば、職員は出勤できず、医療的なサポートもなく、介護崩壊になってしまう」との提起を重視したからである。A会は系列に総合病院を持ち、特養は4施設、高齢者在宅サービス8施設、訪問看護ステーション、住宅型有料老人ホームを有する医療と介護が統合した法人集団である。このような大規模な介護集団であったので、介護崩壊に至らず、法人内で収束に向かわせるめどが立ったのであろう。

 小規模事業者(単独の特養)で感染者が発生すると、当該特養の現場は、職員不足で、即座に介護放棄・崩壊になるであろう。近頃、健常者を主軸に地域包括福祉支援体制の構築を提唱されているが、今回の新型コロナウィルスの対策には程遠いような気がする。介護職員の求人難の現状から、単独の特養が連携協力することはまず不可能である。要介護の感染者は、感染した介護士や抵抗力を持っている介護士が、介助するようになるのかな? 目下、感染予防行動基準が最善の対策(治療手段)である。本当に早く、ワクチン・治療薬の開発を願うばかりである。                     起稿 2020.06.07

 

 

 

 2020.07.26  朝日新聞 朝刊 4面 介護とわたしたち コロナ禍の中で1 を読んで

 

見出し:特養で集団感染 終わらぬ介助

 内容は主に特養でクラスター綱渡りの介護を記述しているので、ダブル内容は省略する。ではなぜ追記しているのか?それはつぎの文章が記載されていたからである。

 掲載文:

  中見出し、手袋や防護服 品薄・高騰続く

 神奈川県は5月、感染者が出た施設に他施設などから応援職員を派遣する事業を公表。サービス維持が困難になった施設が出た場合、県社会福祉協議会(社協)に事前に登録された名簿の中から代替えの職員を派遣する仕組みだ。人件費などは県が負担。7月17日時点で、133名が登録されている。広島県でも同様な仕組みづくりが始まっている。

 

 私見(嬉しいつぶやき)

 私は地域の特養ごとの応援連携は難しいだろう上記に記述した。ところが神奈川県社協が応援職員を派遣する仕組みづくりをしていることを知り、うれしくなり起稿した。他県もこのような動きをしてほしい。

                                起稿 2020.07.27