第6章 短期入所生活介護(ショートステイ)
          
  つぶやき話のテーマ1:  手持ち品のチェック
 
         
 「ショートステイで非常に大切なチェック作業がある。          
  手持ち品、及び持ち込み衣服のチェックである。 」          
           
  3~4日程、ショートステイされる場合は、入所者は服薬中の薬や着替え衣服を持ち込まれる。          
 持ち込まれる品々のチェックは大切な作業である。多少時間がかかっても、厳密に行わなければ          
 ならない。その目的は、退所日に持ち込み品を不足なく持ち帰っていただくためである。そこで          
 持ち込み品名及び、持主者氏名の有無をチェックしているのである。それを一覧表にまとめる。
          
  まず薬はすべてビニール袋(氏名有無を確認済)にいれて看護師へ手渡す。看護師は薬の          
 種類等を確認して保管する。次にさまざまな小物である。財布やお金の持ち込みは禁止事項          
 である。ご家族等に事前に連絡している。もし持ち込まれれば、事務所の金庫で退所日まで          
 保管することになる。小さな遊び道具等で危険なものは預かり品になる。ハンカチ、ティッシュは          
 着衣のポケットに入ったままになることもある。女性特有の小物がある。それは洗面、化粧セット          
 類である。幸いなことに、化粧セット類は手提げ袋や小さなバッグにしまわれている。持ち込み          
 品の名前は化粧セット一式とする。男性の場合は電気かみそりである。テプラ―で氏名シール          
 を作り、機器にを張り付けることになる。小物はこの程度にして着替え用衣類にうつる。
          
  持ち込まれた衣服の種類やその数量を調べる。さらに上着、シャーツ、ズボン類はその色や          
 柄までチェック表に記載する。退所日の持ち込み衣服の棚卸確認を容易にするためである。          
 品物に持主者氏名が、書かれていることは必須条件である。もし書かれていなければ、油性の          
 黒マジックで、氏名を書き込むことになる。ここでも悩ましいことが発生する。ズボンや靴下類は          
 黒、濃紺色が多い。それらに黒マジックで氏名を書いても読めない。そこで衣類についている          
 小さなタグ片に小さく氏名を書き込むのである。このタグ片がなければ、白糸で氏名を刺繍する          
 ことになる。衣服に氏名を糸で刺繍されることを、ご家族等に事前に提案しているのだが。          
 これで入所時の手荷物品のチェックは終了か?いやいや、もう1点が残っている。それが次の          
 テーマである。
          
           
           
  つぶやき話のテーマ2:  着衣に名前を
          
 「入所時には、非常に大切な氏名有無のチェックをする。          
  当然、今、着衣している衣服もチェックする。   」          
           
   なんのためにチェックするの?まずチェック表は入所者の家族に記載してもらっている。入所          
 されると、自宅からの持参品に差異はないかを調べるのである。退所日にはすべての持参品を          
 持ち帰りいただくのである。チェック表は当人と一緒に自宅へ帰り、家族が品物に差異はないか          
 確認するのである。不足分があれば、ショートステイ期間中で紛失したことになる。品物を探し          
 出さなければならない。紛失はどこで発生するか定まった箇所はない。どこかに紛れ込むことが          
 ある。紛れ込んだ先で誰かに見出された時、品物に氏名が書かれていると、当人へ戻すことが          
 可能である。氏名が書かれていないと、悲劇である。持主不明のまま、洗濯場に置かれたり、          
 施設内を回覧されたりする。又、チェック表写しの未返却品と突合せとなる。大変な労力である。          
 迷宮いりにならないようにしたいものである。やっと本題に来た。
          
  ショートステイされる方は、裸で入所されない。ちゃんと着衣されている。その着衣もその色や          
 柄及び氏名記入の有無をチェックしなければならない。上着、下着の区別はない。特に女性の          
 股引やパンツには氏名記入無が多いと聞いている。氏名がなければ、肌着の端のところに、黒          
 マジックで書きこまなければならない。このような状況を他人が見たら、警察官による身体検査に          
 見えるかもしれない。靴も悩み多き品物である。ほとんどの色が黒系統である。しかし靴は表は          
 黒でも、内側は別の色が多い。そこで靴は内側に氏名を書き込むのである。入所者は四六時中          
 自前の靴を履いておられるが、入浴時や就寝時には脱がれる。特に入浴時に、他人のものと          
 はき違えることが発生することがある。靴の大きさには余裕度があり、他人の靴もはける可能性          
 がある。このような間違いを発生させないためにも、所持品に氏名を書き込んでおくことは大切な          
 ことである。          
           
           
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  つぶやき話のテーマ3:  最長期間
          
 「いくら介護度が高くても、連続30日を超えてショートステイできない。          
  逆に言えば31日目のみ自宅にいれば、又翌日からショートステイできるかな?」
          
           
  ショートステイの主な目的は、介護者が病気になったり、疲労困憊で介護できなかった場合に、          
 要介護者が、短期的に施設へ入所することである。期間は2、3日から、連続して30日間は入所          
 できる。当然期間が長くなれば、負担金も増える。要介護者だけでなく、介護者の息抜きや休憩          
 等をとってもらえるようにしているのである。
          
  このショートステイは、要介護者に施設内の生活に馴染んでいただくためにも有効である。自宅          
 での介護を続けていた人が、運よく施設入所できる機会に巡り合えたとする。介護人はこれ幸いと          
 施設入所を決断するであろう。要介護者の当人はデイサービス、ショートステイの経験なしとする。          
 急に他人宅で集団生活をするのである。自分の思うままに体が動き、施設内で行動できても、          
 集団生活の緊張感やストレスはどれ位であろう。慣れない場所での生活である。思うままになれ          
 ない。イライラする。帰りたい、帰りたいの繰り返しである。そこで激しく動きまわるか、それとも          
 ふさぎ込むかである。この入所時の緊張感を当人が無事に乗り越えなければならない。この時点          
 を無事に通過しないと体調不良になる可能性があると思う。このような状況や状態を専門用語で          
 何というか知らない。
          
  施設に即刻入所するのではなく、ショートステイで、短期的な入所生活を経験される。最初は          
 ユニット棟の個室に短期に入所し、馴染まれたら回数を増やしたり、長期的に入所することを          
 経験される。その内に相部屋のショートステイを経験される。それで24時間の集団生活に          
 馴染んでいただくのである。このような経過を経て施設入所すれば、施設内で幾分か自立的に          
 行動できて、生活を楽しめると思う。要介護者が自立的な意思表示や行動ができない場合は、          
 即刻、入所もありうるであろう。
          
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