読売新聞 2020年6月21日 11:36 オンライン配信を読んで

 

見出し:シーツ洗濯を拒否される病院続々、業者が感染懸念・・・3ヶ月分たまった例も

 

序 文:新型コロナウィルスの感染が拡大した3~5月にかけ、感染者を受け入れた医療機関で、シーツ等のクリーニングや院内の清掃を委託先の業者に拒否される事例が相次いでいたことがわかった。委託業務が滞れば、医療現場の負担につながる恐れがあり、専門家は第2、3波を見据え、対策の必要性を指摘する。

 

掲載記事:

 大阪府T市のT病院では、一室にシーツ等、3ヶ月分がつみあがっていた。感染症患者が使用したシーツ等のリネン類のクリーニングは、1993年の厚生労働省通知で、外部に委託する前に院内で80度以上の熱湯で消毒するとされている。T病院は本来の3倍の感染患者を受け入れ、院内での消毒が追い付かなかった。通知では、「やむを得ない場合」は、未消毒でも委託できると認めている。病院はこれに基づき、委託業者と交渉したが「未知のウィルスで感染リスクがある」と話はまとまらなかった。厚労省は2020年4月24日、未消毒のリネン類を容器に密閉し「未消毒」と明記する手順で外部委託できるように、各自治体へ周知した。それでも、改善につながらなかったケースもあり、京都の病院ではシーツを医療廃棄物として捨てる判断をした。

 

 院内の清掃に関しても、同様な問題が起きた。清掃業者から「従業員に感染の恐れがある」と業務を断られ、看護師が消毒・掃除をしている。軽症者を受け入れたホテルでは、契約していた清掃会社から解約を申し出られた。

 

 専門家の話。医療従事者が治療に専念する環境を整えるには、外部業者の協力が欠かせない。国や自治体は外部業者も含めた感染予防を、コストを含めどう支援していくか検討を進めるべきである。

 

私見(ぼやき) 

 介護施設で、インフルエンザ、ノロウィルス等の感染症が発生すると、同様な問題が発生する。

私が働く介護施設では、ノロウィルスについては、リネン類をビニール袋で二重梱包して、汚染物と明記してクリーニング業者へ依頼する取り決めである。今回の新型コロナウィルスであれば、業者の感染防止のため、引き取りを拒否されると想定される。すると施設の介護職員が汚染したリネン類を消毒して、洗濯・乾燥させて、そのリネン類をクリーニング業者へ、依頼(洗濯・アイロンがけ等)することになるであろう。普段でもリネン類に施設入所者の血液や汚物が付着している場合は、当然、施設の介護職員が消毒・せんたく・乾燥させて、業者へクリーニング依頼をしている。該当するリネン類の数量が少ないので、対処できるのである。

 リネン類が未知のウィルスに汚染されて、しかも数量が多いとなれば、自前の洗濯機、施設の介護職員で、消毒・洗濯・乾燥させるのは、大変な負荷となる。

 介護施設も、新型コロナウィルスに汚染されたリネン類を医療廃棄物として廃棄したい。ところが介護施設から出るごみは主に燃えるごみなどの一般的な廃棄物である。介護施設は焼却設備を有していないので、汚染リネン類の焼却処分ができない。汚染リネン類を一般的な廃棄物の回収業者に処分依頼もできない。すると、介護職員が汚染されたリネン類を、公共的なごみ処分場へ持ち込むしかないであろう。だが、公的な処分場で受け入れてもらえるのかも定かでない。

 新型コロナウィルスに汚染された廃棄物は、公的な機関が専門で、回収・受取・焼却処分をしてほしい。焼却施設がなければ、公的な場所に汚染廃棄物を埋めてほしい。都道府県が今からすぐにでも、対策内容に加えてほしい。                          起稿    2020.06.27